はやく俺を、好きになれ。

睨み付けてみるが真優は靴の代金を払っていた。おい。それ俺の財布だろ。――――突っ込み気すら失せる真優の後ろ姿を見つめる。


真優はいそいそとたった今買った靴に履き替えた。


履き心地がいいのかピョンピョン飛び跳ねている。


鏡の前で立つとスカートの裾を持ち上げてポーズを決めていた。


何でこんなにマイペースなんだ…


真優はもう修羅場には飽きたのか目もくれない。真新しい靴を見て満面の笑顔を浮かべている。


いつの間に俺の財布を盗んだとかいう疑問は省き、とりあえず可愛いから真優はこれで良いと思った。