はやく俺を、好きになれ。

「―――それは良かった。だけどまゆぽんも充分可愛いよ」



イケメンすぎるだろ、コイツ。


どう考えてもその台詞は俺の台詞だ。言われた真優は『綾ちゃんも格好いいよ!』と嬉しげだ。


危険視するのは双子の弟じゃなく姉かもしれねぇな。



「―――時にアタシの弟よ」



愉快げに目を細めた綾は葉を見る。

葉が固まっていたのは一瞬。既にいつもの戻っていた。だが頻りに辺りを気にして誰かを捜しているようにも見えた。