はやく俺を、好きになれ。

「やあ、まゆぽん。靴は決まったのかい?」

「綾ちゃん!うん。決まったよ!」

「どれどれ?―――へぇ。可愛いじゃないか。まゆぽんに似合うよ。このワンポイントの花とか」

「だよね!このお花可愛いよね!」



真優は花が付いたミュールを綾に見せびらかす。



「店員さんが一緒に選んで貰ったんだ!パーマのお姉さん!スゴく綺麗な人だったよ?」



上機嫌でニコニコしながら言う。しかしそれとは裏腹に葉はピシッと固まった。綾は笑みを浮かべるだけで読めない。