はやく俺を、好きになれ。

チラッと後ろを盗み見れば葉と綾はニタニタ笑っていた。性悪双子が休日にも一緒にいるなんて最悪だ。コイツ等が揃って爽やか且つ平和な休日を過ごせる訳がねぇ。


果てしなく厭な予感がする。しかし靴屋はもう目の前。真優のこともあり今更引き返すのも癪だ。


溜め息をついて店に入る。案の定葉と綾も着いて来た。



「わぁ。お洒落なお店!」

「へぇ。古着屋っぽいところだね」

「ふぅん。アタシに似合いそうじゃないか」



三者三様。其々違った反応を見せる。俺が始めに入ったのにも関わらず三人は俺を通り越して店を徘徊し始めた。