真優が俺を呼ぶ声も無視して真優の部屋を出る。 部屋を出てから玄関に行き、家を出ようとする俺に真優は着いてくる。泣きそうな―――いや、泣きながら俺を引き留める。 「なんで…っ、言ってくれなきゃ分かんないよぉ…!」 「…分からなくていい」 お前だけには知られたくない。 こんな気持ち、みっともねえだけだ。 「どこ行くの…?」 「真優には関係ねえ。 ……着いてくるなよ」 待ってと言う真優を無視して外へ出た。 念のため着いてくるなと言うがこんなときでも真優の心配をする自分を自嘲する。