「陽…?怒ってるの…?」 「怒ってねえ」 「怒ってるよ…」 真優は行き場を失った右手を左手で握ると泣きそうな顔で言う。 「いつもの陽じゃない…」 その言葉にカチンとくる。それは怒りでもあり、哀しみでもあり、訳のわからねえ気持ちが渦巻く。 「いつもの俺って何だよ…」 コイツは俺のことを知った上でそう言ってるのか?お前からすれば俺はただの“幼馴染み”だろ? 「今は放っておいてくれ」 …頼むから、そんな顔で俺を見るな。