俺に近付く真優を避けるように、足を後ろに下げた。 来るな。 「陽?」 来るんじゃねえよ。 「どうしたの…?」 いま近づけば、きっとお前を傷つけてしまう。 ――…顔を顰める俺に真優は手を伸ばした。 「ねぇ、」 「触んな!」 「…っ、」 怒鳴り声に驚いた真優はビクッと固まる。 そんな目で俺を見るな。 そんなに声で俺の名を呼ぶな。 俺の中をこれ以上、掻き乱さないでくれ。