「お。そうだった。さっきメールで面白いものが送られてきたんだ」
「え、何々?」
「ある画像なんだ」
「へえ、誰から?」
「送信者は――――葉だ」
「僕?やべえ。送り先、間違えちゃった」
「なら仕方ない。アタシも見なかったことにしてやろう」
「てことでゴメンねぇ?陽君」
トントン拍子で会話をする双子。芝居掛かった口調は事前に打ち合わせしていたかのようにも聞こえた。
簡単に葉を許す綾も、乗りが軽い葉も、何かが可笑しい。
飛び交う単語に顔が引き攣っていくのを感じた。
そう言えばあのとき葉は“携帯”を弄っていた。一体何を“画像”に収めたのか。
葉がわざわざ綾に教えるほど面白いことなんて一つしか心当たりがなかった。

