はやく俺を、好きになれ。

ガリガリ君を食べながら葉は言う。



「陽が教室飛び出したときは何事かと思ったけど、まさか真優ちゃんが来てたなんてね。僕に逢いに来てくれたの?」

「熱中症と称される変死を遂げたくなかったらその口を閉ざすことだよ」



バチバチと火花を飛ばす双子。



「僕だって真優ちゃんと仲良くしたいんだよ」

「アンタはそこらの雌豚とでも仲良くしときな」

「うわ、キツい。可愛い子猫ちゃん達を豚扱いするなんて駄目じゃないか」

「何を言う。ただでさえ目障りなハイエナがいるんだ。これぐらい許せ」

「………確かに」



ジト目でこちらをみる双子。


ひとをハイエナ呼ばわりすんじゃねえよ。


否定したいが、円らな瞳で俺を見上げる真優をマジで捕食しちまいそうだから敢えて否定はしねえ。