はやく俺を、好きになれ。

俺に嫌われたと泣いた真優を想像して口元が緩む。それを隠すために口元を手で覆った。


やべえ。ギャップ作戦も侮れねえじゃねえの。













「――――ニタニタ笑って気持ち悪いよ」



後ろから遣ってきたのは葉。


真優を見てニタニタする俺を冷めた目で見つめる。



「おや。葉じゃないか。アンタも補充とはご苦労だね」

「カンニングしてたやつに言われたくないよ」

「テストと言うのは知恵をどれだけ振り絞れるかで決まるのさ」



悪知恵がよく働く綾はしてやったり、とほくそ笑む。コイツは完全にテストの意味を履き違えてやがる。