はやく俺を、好きになれ。










そしてやはりコイツはいつも良いとこで邪魔をする。



「まゆぽん」

「あ!綾ちゃん!」



死角となる場所から飄々と出てきたのは“ガリガリ君”を食べる綾だった。


一緒に出掛けてた筈だからコイツも居るとは予想していたが、実際目にすると半端なく苛立つ。



「仲直りしたのかい?」

「うん!」

「まゆぽん、陽に嫌われたって泣きじゃくってたからねえ」

「も、もうっ!陽の前でそんなこと言わないでよ!」

「すまない。何せ口が軽いもんでね」

「心が籠ってないよお!」



顔を真っ赤にさせてポカポカと綾を叩く真優。綾はニヤニヤしながら真優を――――と言うより俺を見る。


真優をからかいたいわけじゃなく俺に教えるためにわざと言ったのか。