テメエ等は俺をどんな目で見てやがる。


表紙をじっと見つめ固まっていると、ソイツは慌てたように雑誌を押し付けてくる。



「ば…っ、は、早く隠せって!」



わたわたと雑誌、もとい、エロ本と俺を庇うようにする。



「お、お前が俺らと同じ健全な男子高生だと言うことはわかった!」



何がわかったんだ。反論する前に教室の男達は俺に向かってグッと親指を立てた。



「エロ本、いいよな…!」

「陽は女に興味がないわけじゃなかったのか…!」

「今まで澄ました奴だと妬んでて悪かったな…!」

「女の裸に興味があるんだな、同士よ!」



涙ぐみながら染々と言われる。


ソイツは俺にエロ本をソッと渡してきた。



「……大事にしろよ?」

「いらねえよ!」



バンッ!とエロ本を叩き落とす。


その生暖かい目で見られたとき、プツンとキレた。しかしそれでも微笑ましさは変わらない。強がっていると勘違いされ、エロ本やアダルトビデオを持って来られるようになったのはこの日からだった―――――…。