私の視界から、お母さんが消えたのは。


「お母さん!?」


『如何だった?楽しかった?色んなものを買い与えてもらって』


そんなことを言うのは、やっぱり少女だった。

今は神社はない。


「如何だっていいのよ!早く、お母さんの所に戻しなさいよ!!」


私は狂ったように叫ぶ。


『無理よ。

本当は、貴女のお母さんは貴女のことを愛してくれていたのにね……

求めるばかりじゃ、誰にも愛して貰えないわよ。

じゃぁ、さっきまで幸せだっただろうから、存分に不幸を味わってね?

不幸があるから、幸せがある……』


少女が言い終えた時だった。