過去と未来を視る神の瞳。
過去を視る瞳を持つ父と、未来を視る瞳を持つ母から 産まれたのがシエンとリオンの2人。
だが、その瞳の力を引き継いだのがシエンではなくリオンであった。
その事実が、シエンを苦しめていたという。
『…どうして、どうして僕の瞳はこんな色をしてるの……?』
涙の滲む瞳を擦りながら幼いリオンは問う。
『皆が言うんだ……僕の瞳は可笑しいって……変だって……』
そう言うと再び泣き出したリオン。
シエンはそんな彼を悲しそうに見つめ優しく抱き締めそっと囁いた。
『私は、貴方のその瞳が大好きよ』
と…
『知ってる?他国ではね、青と銅のオッドアイは"ダ イヤモンドの瞳"って言われるの』
『…ダイヤモンド……?』
『そう、貴方はダイヤモンドのような、とても綺麗な瞳をしてるのよ』
シエンの言葉に顔を上げたリオンは彼女を見上げ、優 しい瞳で彼を見つめるシエンは彼の頭をそっと撫でた 。
『シエン、リオン』
背後から聞こえた男性の穏やかな声。
振り返ると、そこには2人の大人が立っていた。

