Blood Tear



セルビアに甘え、部屋を借りる事となったコウガ達。


隣接する家は小さな家ではあるが、部屋は数部屋ありどこも綺麗に整理されていた。




その家の一室で眠るイース。

彼女の風邪はセルビアの治癒の力により大分和らいだ。

今は穏やかな寝息を立て眠っている。





既に陽が暮れ、食事をとった後それぞれ部屋に戻った。


疲れていたのかレオンはベッドの中でいびきをかき、ジークは爆睡するレオンに悪戯をした後行き先も告げず部屋を出た。


コウガもそろそろ寝ようかと欠伸をしながら伸びをすると、ふと目の端に移ったある人物。


見覚えのある人物の姿に窓の外へと目を向ける。




暗闇の中を歩くエメラルドの髪の少年。

彼はセルビアの家へと入って行く。




 「リオン……?」


1人で何をしているのだろう。
疑問に思いながらも、ふとある事を思い出す。



彼は誰かに会う為に旅をしていると言っていた。


この街に来たという事は、彼が探していた人物はセルビア彼女であるのだろう。




そんな事を考えながらコウガはベッドに仰向けに寝転んだ。