鋼同士がぶつかり合う。
目にも留まらぬ速さで振り下ろされる鋭い刃。
流れるような無駄のない身のこなし。
瞬きする隙さえ与えぬ緊迫した攻防戦が続く中、加勢しようと試みるレオン達だが一向に手を出せずにいた。
無闇に突っ込んでしまえば、コウガのペースを乱す恐れがある。
否それ所か、此方が危険な目に合う確率の方が高い。
それ程に2人の攻防は激しいものなのだ。
「くっ……」
「ハハッ…思った通り、君の血はとても綺麗だ……もっと見せてよ、その鮮やかで温かな君の血を!」
ライアの攻撃を完全には避けきれず、横腹に傷を負い顔を歪めるコウガ。
彼の怯んだ隙に心臓目掛けレイピアを突き出すが、それはひらりと交わされる。

