「ってて……」
身をぶつけ額をさするレオンは身を起こす。
目を開けば、間近に迫る白い肌。
ハッとし身を離そうとするが、行動に移すその前に彼の身体は突き飛ばされる。
「いってーな!何しやがる!?」
「…五月蝿い…それはこっちの台詞だ……」
「っ……」
再び床に身をぶつけるレオンは突き飛ばした本人であるクレアを睨むが、彼女のもっともな意見に口を紡ぐ。
「まぁまぁ2人共、こんな時に喧嘩なんて――」
「「お前は黙ってろ!」」
睨み合う2人を止めに入ったジークだが、息のあった彼等によって怒鳴られてしまう。
そんな彼は顔に笑みを浮かべたまま、無言で鞘から刀を抜いた。
「止めろ、ジーク」
「アハハ……止めないで下さいよ、レグナード様ぁ……」
刀を振り上げたジークを目に、呆れたレグルは彼を小突く。
それでも止めようとしない彼だったが、レグルに鋭く睨まれ仕方なく刀を下ろすのだった。

