Blood Tear



 「おはようございます、レオンさん」


 「…ん…はよ……」


部屋に入って来た人物を目ににこやかに挨拶するのはシェイラ。

窓から漏れる朝陽を背に、彼女は優雅に紅茶を口へと運ぶ。




 「まったく、挨拶位きちんとできないのですか、貴方は」


 「げっ……」


欠伸をしながら挨拶を返すレオンに注意するジーク。


知らぬ内に背後に立つ彼に驚き、嫌な顔をしながら其処から逃げるように移動する。




 「あからさまなその態度、いくら私でも傷つきますよ?」


 「傷ついているようには見えないが?」


避けられた事に不服な様子のジークだが、言葉とは裏腹にヘラヘラとおどけた表情で笑って見せる。

そんな彼に対しもっともな意見を口にするレグルはくわえた煙草に火をつけた。

立ち上る煙を窓の外へと流すが、五感の鋭いレオンは微かに部屋に流れる煙を嗅ぎ咳き込んでしまう。


レグルはすまないと彼に謝ると、まだ長いそれを灰皿に押し付けた。




 「よく朝っぱらから煙草なんかが吸えるよな」


 「それを言うなら彼女の方だろ」


顎で示す先へと顔を向ければ、其処にはソファーに腰掛けるクレアの姿。

膝を折り縮こまるように座る彼女はカップアイスを食べていた。




 「ハァ……」


 「……」


呆れたレオンは溜め息を吐くが、クレアは気にする事なくアイスを頬張った。