貫かれた傷口から血が溢れ、痛みに耐えながらレグル はアンバーの元へと駆け寄った。


マットの傍を通る際2人は撃ち合い、レグルの太股を銃弾は掠り、マットは肩を撃ち抜かれる。




 「アンバー!」


 「……」


彼女の名を呼び体を揺する。


しかし反応は無い。


力無く首をもたげ、光の無い虚ろな瞳で何処か見つめる彼女はまるで脱け殻。


人形のような彼女をレグルはそっと抱き締めた。




 「フフッ…もしかして、彼女の事気に入ってたりでもした?ハハッハハハハッ……」


肩を震わすレグルを見下ろし何が可笑しいのか笑い声をあげるマット。


その声を聞きながらレグルはアンバーの瞳に手をかざし、開かれたままの瞳をそっと閉じた。




 「君が望むなら、また造ってあげるよ。次はもっと完璧に、君に従順に従う操り人形をね。フフッ…ハハハハハッ……ハハハッ――」


 「…黙れ……」


低い声に次いで鳴り響く銃声。


腹を抱え、壊れたように笑い続ける彼の頬を銃弾が掠る。