Blood Tear



 「しっかりしろ、アンバー」


 「…っ……ぅっ……レグ、ル…何故……?」


胸から血を流し倒れるアンバーの傍に駆け寄るレグル。


彼を瞳に映したアンバーは苦しそうに息をしながら問う。

何故此処に居るのかと。




夜中に1人、何も言わずに出て行った彼女。


自分が彼等の傍に居れば、彼等にまで危険が及んでしまう。

だから彼女は彼等から離れた。


なのに彼女を探し、こうして助けに来た彼を不思議に思うアンバー。




 「回復するまで、大人しくしてろ」


彼は問いに答える事はなく、彼女の頭を撫でると立ち上がる。


そして前方のマットを睨み付けた。




 「えっと確か、ラグナレア国の王子様」


銃口を向けられたマットは眼鏡を押し上げ目を細めるとアリューから手を離す。


すると彼女は猛スピードで駆け出しレグルに斬りかかった。



マットからアリューへと標的を変え銃を撃ち、振り下ろされた刃を後退しながら交わす。


連続して銃を撃ちながら地を蹴ると距離を取る。



一方、アリューは放たれた銃弾を的確に刃で切り落とす。


レグルは舌打ちをしながら銃を両手に持ち構えると狙いを定めた。