家は焼け焦げ崩れ落ち、残った壁は赤い血で染められる。
地に転がる数え切れない死体には蝿が集り、未だ燃えていた小さな炎は風に吹き消された。
灰色の空の下、崩壊したその町に佇むのは銀髪に赤のメッシュを入れた色白な男性、フリード・ブラッドリィ。
血の滴る人の肉を喰う彼は死体の頭を踏みつけ冷たく見下ろす。
「やっぱり、日が経った肉は不味いな」
口に含んだ肉を吐き出し振り返る彼は嫌味に微笑んだ。
彼の後方にはもう1人、銀髪を風に靡かせる女性の姿が。
「君も喰えば?死体なら、そこらへんに転がってる」
赤い瞳で鋭く睨む彼女に声をかけるが反応はない。
只ジッと睨み続ける彼女に呆れ、彼は鼻で笑うと歩み寄る。
「我慢するのもいい加減止めなよ。本当は喰いたいんだろ?喰いたくて喰いたくて仕方ないのに君は我慢して、その空腹を紛らわす為に他の食材を食ってきた。だけどそろそろ限界なんじゃないか?クレア・シン ク」
彼女の目の前に立ち、頬に触れ色白な肌を赤く汚す。
その指が唇をなぞった瞬間、クレアは掴んだ鎌を振り上げ斬りかかる。

