螺旋階段をゆっくりとした足取りで降りて来るオッドアイの人物。
「…否、違う。リオンは……上だ」
フードから覗くその顔立ちはリオンそっくり。
しかしレオンは違うと首を振る。
ヒクヒクと鼻を動かし匂いを嗅ぐ彼はリオンは最上階に居ると言い、隣に立つイースの襟元をガシリと掴む。
「え……?」
「さっさと救って来い!」
何をする気だとレオンを見上げるが、真意を耳にする前に彼女の身体はふわりと宙に浮く。
軽い彼女を力の限り投げ飛ばすレオン。
狼の血を引く彼の人間離れした力で投げ飛ばされ、悲鳴を上げながら飛んでいくイース。
咄嗟に箒を手に取りしがみつくと風を身に纏い頂上目がけて飛んでいった。
「レオン、お前……」
少し乱暴ではないかと苦笑いするが、当の本人は親指を突き立て胸を張る。
呆れて溜め息を吐くと、目の前にローブが舞い降りてきた。
巻き起こった強風に小柄な人物の身からローブが剥がれ落ちたのだ。
露わになった小柄な人物の素顔。
可愛らしい顔立ちにオッドアイ、髪はエメラルドではなく赤紫。
「シエン……」
彼女の名はシエン・ディアルド。
リオンの実の姉であり、彼のたった1人の家族。
彼女の瞳はグレーだった筈。
しかし今の彼女の瞳は青と銅。
彼女シエンは、リオンからその瞳を奪ったと言う事に なる。

