2003年の3月。 春休み中のこと。 凉太が亡くなった。 突然の事故で。 凉太は何も悪くないのに。 突然に命を奪われた。 犯人は20代の男だった。 私たち家族は凉太の身にいったい何が起きたのかもわからなかった。 その日から時間は止まってしまった。 あまりにもショックが大きいと『死』という意味もわからなくなり、受け入れることもできなくなるのだ。 凉太が死んでいなくなった。 10年経った今も現実として受け入れられない。