この質問、何回されたかわかんねえし…



「ぼんやりしてたら…他の男に取られちゃうぞ?」

「・・・・」

「あんなにカワイイんだもん。狙ってる奴だって、いっぱい…」



ガンッ


近くに置いてあった、壊れた椅子を蹴飛ばす俺。





「冗談だよっ(汗)」


圭佑は、焦りながら笑った。



でも、圭佑が言ってることは…間違ってないと思う。

だから余計に、ムカついた…




さっき…永井に向けていた、あの歩夢の笑顔・・

あいつ、あんな顔…するんだな。




「・・・」


俺は屋上から、歩夢をぼんやりと見つめる…


俺はきっと…どこからでも、歩夢を見つけられる・・

それだけ長い間、一緒にいたから…


跳び箱が翔べなかった歩夢は、栗原になぐさめられていた。

その半べそをかいたような顔は、ガキの頃と変わっていなかった…