俺様男子とラブ同居

私は泣きながら、やっと声を出す。

慶太はそんな私を、力強く抱きしめた。




『・・・・』


先輩からは返事はなかったが、私は続ける。




「小さい頃から、ずっとずっと好きでした。だから私は…先輩とは付き合えない」

『・・・・』


それが答えだった。



その言葉は、先輩だけではなく…

慶太に向けたメッセージ。



12年分の気持ちを…全部ぶつけるんだ。




『そっか。わかった…』


先輩は少しだけ、微笑んでいるようだった。



「ごめんなさい、先輩…本当に……」

『謝らないでよ。歩夢ちゃんが悪いわけじゃないんだから…』

「……はい」


最後まで、先輩は優しい。

最初から最後まで…




『ありがとう。歩夢ちゃんと出会えて良かった』