俺様男子とラブ同居

「はぁ…」


少し息を切らしながら、トイレの個室の中へ入る。

そして壁にもたれ掛かりながら、さっきまで慶太と手を繋いでいた、左手の手のひらを見つめた。



慶太…

私の手を握ってくれた…



どうして…?

『アホ』なんて言って、呆れてたのに……



?と嬉しさが、私の体の中をグルグルと回った…



ヤバイ、泣きそう…

嬉しくて……

本当にやばいよ…



私は必死で目をつぶり、涙をこらえた。



その時、忘れていたあの事が、ふと頭の中をよぎる。



あ!

慶太のアンクレット買わなくちゃ!



私は、慶太がフリマで売ったアンクレットのことを思い出した。


買うなら、今がチャンスだよね!

彩たちと、少しくらい合流するのが遅れても、『トイレが混んでた』とか…適当に言い訳できるし!