俺様男子とラブ同居

そのあと、どんなお化けが出てきたのか…

どんなふうに脅かされたのか、正直覚えてない。



慶太が、手を繋いで来てくれた行為が、嬉しくて…嬉しくて……

周りのことなんか、全然見えていなかった。







「あー楽しかったね」

「まあまあだったな」


お化け屋敷の、出口から出てきた私たち。

その瞬間、私と慶太の繋いでいた手が離れた…


彩と圭佑くんは、お化け屋敷の感想を言い合っていて、盛り上がっている。




「次どこ行く?」

「とりあえず、喉乾かね?」

「私…ちょっとトイレ行ってくる」


とりあえず落ち着きたかった私は、慶太たちから離れた。




「わかった!その辺フラフラしてるから、電話してー」

「うん…」


私は、慶太たちに背を向けて走る。


慶太の顔を、まともに見られない…



猛ダッシュして、体育館から一番近いトイレに入った。

別にトイレに行きたかったわけではない。

バクバク鳴る心臓を、落ち着かせたかった…