そう思った時だった。




「いやあああああっ!」




叫び声を上げながら、東棟の奥から、留美子が走って来たのだ。


もうすぐだっていうのに……こんな所で死ねない!


「留美子!! 見つけたよ、カラダ!! ホールに行こう!」


私も叫んで、再び走り出した。


私の声にうなずいて、階段を下りた留美子。


その後ろから追いかけてくる「赤い人」の形相は……笑っていた少女とはかけ離れた、鬼のような物だった。



「何……何なの!? あれ!」


すっかり様子が変わった「赤い人」に恐怖を感じた私は慌てて留美子の後を追い、階段を下りた。


踊り場に着き、さらに階段を下りる。


一階に辿り着いた時……。



ドンッ!!




と、背中に衝撃が走って、私はよろめいて倒れてしまった。


気づいた時には、私の身体に赤い手と、赤いぬいぐるみが回されていたのだ。






「あ~かい ふ~くをくださいな~し~ろい ふ~くもあかくする~まっかにまっかにそめあげて~お顔もお手てもまっかっか~」