早くカラダを見つけて、「カラダ探し」を終わらせたい。
そう言わんばかりの態度で、高広は旧校舎の中に入って行った。
「待ってよ、高広」
その後に続いて玄関に入った私は、異様な空気に包まれるような感覚に襲われた。
「明日香、気をつけろ……」
そう言って、私の前に手を出して制止させる高広。
きっと、何に、というわけではないのだろう。
でも、言いたい事はわかる。
べっとりとまとわり付くような視線、身体中を触られているような不快感に、私は声も出せないでいた。
「うっ! なんだ……これ」
後から入ってきた翔太も、この不気味な雰囲気を感じ取ったのだろう。
私の横で、辺りを見回して怪訝な表情を浮かべていた。
ここには長くいたくはない。
あまりに気持ち悪くて、嘔吐しそうだ。
「とりあえず行くか。固まって動くぞ」
「う、うん。こんな所でひとりなんて絶対に嫌」
私が、声を絞り出して言えたのはそれだけ。
玄関が開いているというのに、足元に溜まった冷たい空気が流れ出ていかない。
歩き出した高広の後を付いていこうとするけど、それが足を引っ張っているように重くて。
少し歩いただけでも呼吸が荒くなる。
そう言わんばかりの態度で、高広は旧校舎の中に入って行った。
「待ってよ、高広」
その後に続いて玄関に入った私は、異様な空気に包まれるような感覚に襲われた。
「明日香、気をつけろ……」
そう言って、私の前に手を出して制止させる高広。
きっと、何に、というわけではないのだろう。
でも、言いたい事はわかる。
べっとりとまとわり付くような視線、身体中を触られているような不快感に、私は声も出せないでいた。
「うっ! なんだ……これ」
後から入ってきた翔太も、この不気味な雰囲気を感じ取ったのだろう。
私の横で、辺りを見回して怪訝な表情を浮かべていた。
ここには長くいたくはない。
あまりに気持ち悪くて、嘔吐しそうだ。
「とりあえず行くか。固まって動くぞ」
「う、うん。こんな所でひとりなんて絶対に嫌」
私が、声を絞り出して言えたのはそれだけ。
玄関が開いているというのに、足元に溜まった冷たい空気が流れ出ていかない。
歩き出した高広の後を付いていこうとするけど、それが足を引っ張っているように重くて。
少し歩いただけでも呼吸が荒くなる。



