~愛人side~ やっと見つけた龍矢の若さんは、女連れだった。 特別美人でも、特別可愛くもない、普通の女。 平凡で、今までの若の女とは真逆の印象の女。 若の隣を申し訳程度に占領し、決して傲らない。 ほら、今も不安そうに若を見上げてる。 『ちょ、何するの?!』 『俺も楽しかった、ありがと』 あ、若、笑顔だ。 あんないい笑顔、見たのいつぶりだっけかな。 きっと、隣の最もそんなことを思ってると思う。