僕の前には男が1人立っている。


背を向けてはいるが、時代劇で見たことのある格好をしている。





腰の2本の刀。


浅葱色の羽織。


白に染められた段だら模様。


逃げた男の発した『新撰組』。


………どうやら僕は『江戸時代』に来てしまったようだ。





?「肩の怪我、大丈夫ですか?」


男は手拭いを懐から取り出すと、刀傷の部分を手当てしてくれた。


千「すまない。」


?「いえ……………それより、僕に付いてきてくれます?」


千「…………………分かった。」


僕は、特に行く当てがあるわけではないので、付いていくことにした。





それにしても、『新撰組』に会うか。


面倒な時代に来たもんだな………