私は、いつもの公園にいた。

ネコを…シロを埋めた花壇の前に、立っている。

シロと、二人で。


「花、咲かないね」


いつの日か植えた花は、まだ芽が出てきているだけだった。


「はやく見たいね…そうしたら名前、わかるのに」


私がため息をつくと、シロが私の手を握りしめた。

相変わらず、シロの手は冷たかった。


「どうしたの?シロ」

「ナオ…ごめんね」






―――僕、一緒に花は見れないや―――