夜中、顔を真っ白にぬりつぶした女のひとがたずねてきて、 「これ、あなたの。返す」 と言って、十年前に事故で無くしたわたしの手首をさしだした。 女のひとはすぐに帰った。 どう育てられたのか、手首には目や口があり、動くようになっていて、ぎえ、と鳴いた。