朝からの不調は続いていた。 会議室を片付けやっとデスクに戻ったら、息をつく暇もなくフロアに課長の声が響いたのだ。 「おはようございます。今日は、みんなに新人を紹介しよう」 ハゲ頭を隠そうと必死な課長の横には見慣れぬ男の子が1人いた。 『こんな時期に新人?しかも、見るからにいい加減そうな感じ……』 それが、彼に対する第一印象だった。