「ん、とにぃ………」 私は溜め息混じりにバーボンのグラスを目の高さに掲げた。 「あまり飲み過ぎるのはよくないぞ」 掲げたグラスを急に取り上げられ、頬を膨らませながらゆっくりと声の主を睨み付けた。 「よっ♪一人?」 そこには予想に反し優しい笑顔の男が立っていた。 結構、カッコイイ……かな。 「あなた………だぁれ?」 気持ちとは裏腹に、目を細め怪訝な顔でそう聞いた。