あれから三日後に私は二人の名前を紙に記し、あの神社に祭られた神様にお渡しして来た。

 正直、今だ持って半信半疑なところはあるが、だからこそお願いして来れたのかも知れないと思う。だが、時折気を許した隙にあの場面が私の前に現れては失笑していく。その時だけは、半信半疑どころか全力で手を合わせるのだ。

 二週間が経過した。亜希美からは何の連絡も無く、やはり眉唾物だったかと不信感が角を出し始めた。  携帯に電話する事も考えたが、普段頻繁に連絡を取り合う程の仲には程遠い。着信履歴に自分の名前を残すことは避けるべきだろう。
 新婚旅行からは既に帰って来ているはずだ。何処に行ったのかは知らないが、三週間近くも旅行する事は無いだろう。とにかく、そろそろ何かの動きは起きてても可笑しくは無い。いや、起きていないほうが可笑しいだろう。