素敵な上司とキュートな部下

「おふくろさん、そんなに期待したってダメだって……」

「そうなの?」


剛史と母親の会話の意味が分からず、加奈子はキョトンとした。


「そいつはどう見ても俺より年下だった。姉貴の彼氏とかじゃないよ。なあ?」


ああ、そういう事か、と思いながら、加奈子は「うん……」と答えた。


「いくつ下なの?」


まだ諦めきれない、という感じの母親に聞かれ、「8つ」と答えると、「なんだ……」と、母親はさもがっかり、といった様子だった。母親は、いつまでも加奈子に彼氏が出来ない事をかなり気にしていたのだ。


「あ、今は7つかな」


そう加奈子が訂正してみても、


「同じ事だわ」


母親に一蹴されてしまい、今更ながら、大輔との年の差に傷つく加奈子であった。


「という事は、俺より6つ下か……。やっぱりあいつかな」

「え?」

「姉貴、もしかしてそいつの苗字、嶋田じゃないか?」