素敵な上司とキュートな部下

「今日の穂奈美ちゃんは、親以外は無理だと思うわよ?」

「そうかもですね……」


とか言いながら大輔が穂奈美に両手を差し出すと、なんと穂奈美も大輔に手を伸ばし、体を預けて行くではないか。


「うそ……」


加奈子が唖然とする中、穂奈美は大輔の腕にすっぽりと収まった。そして、泣きそうどころか、声を上げて笑い出したのだ。


「主任……なんか、すみません」


申し訳なさそうに大輔に謝られると、余計に悔しく、腹立たしい加奈子だった。


「……信じられない」


加奈子が悔しくて唇を噛んでいると、


「これには“タネ”があるのよ?」


と志穂は言った。


「え?」

「祐樹のお母様でも泣かれちゃうんだから、仕方ないわよ……」

「そうなの?」

「そう。女で泣かれないのは私だけなの」

「という事は……穂奈美ちゃんは男が好きなわけ?」

「そういう事」

「あらま……。ずいぶんおませなのね?」


(という事なら仕方ないか……。それにしてもパパの神林君といい嶋田君といい、こんなイケメン達に可愛がられたら、この子はさぞや面食いになるだろうなあ)