素敵な上司とキュートな部下

「あ、暑いわね?」

「そ、そうですね」


次に来た電車に乗った二人だが、互いに照れてしまって会話らしい会話にならないまま、志穂達が住むマンションへ着いてしまった。


「いらっしゃい」


二人を出迎えたのは、志穂と穂奈美を抱っこした神林祐樹だ。


「おじゃましまーす」


と言ったものの、どちらが先に入るかで譲り合う加奈子と大輔。


「レディファーストという事で……」

「う、うん。じゃあ……」

「どうしたの、二人とも……?」

「な、何でもないわよ。ね?」

「は、はい」

「そうかなあ……」


加奈子と大輔の間に漂う、ただならぬ空気に、早くも予感めいたものを感じ取る志穂なのであった。