素敵な上司とキュートな部下

「じゃあね、えっと……ああ、大輔君はどう？」

「“大輔君”？」


突如、志穂の口から聞き慣れない名前が飛び出し、加奈子は首を捻った。


「営業の嶋田大輔君よ？」

「ああ、あの嶋田君ね……って、志穂、あんた何言ってるの？」

「あの子、とってもキュートでしょ？ いいと思うけどなあ」

「話にならないわ。それよか志穂、あんた嶋田君を名前で呼ぶって事は、もしかして知り合いだったの？」

「うん、そうよ。時々家に来てくれるから」

「家って、ここに！？」

「うん。あれ？ 知らなかった？ 祐樹と大輔君は同期で仲がいいのよ？ 親友なんじゃないかしら」

「えっ……、ああ、そう言われれば二人は同期よね？ そうか、そうなんだ……」


あの有名な嶋田大輔が、時々ここに来て、もしかすると今自分が座っているこの場所に座ったかもしれないと考えたら、ちょっと不思議な感じがする加奈子だった。


「で、嶋田大輔君はどうかしら？」