素敵な上司とキュートな部下

「か、加奈子さん……」

「違ったかしら?」

「それは……違ってません」


美由紀は、小さく消え入りそうな声ではあったが、素直にそれを認めた。


「そう? やっぱりね。美由紀ちゃんってさ……」

「え?」

「彼の事、好きでしょ?」


美由紀は再び目を大きく見開き、驚いた顔をしたが、すぐに觀念したかのように目を伏せ、


「はい、すごく好きです。嶋田先輩の事が……」


これまた素直に、すんなりと認めた。自分の大輔への、秘めたる想いを。


「やっぱりそうだったのね……」

「どうして分かっちゃったんですか? ずっと秘密にしてたのに……」

「そんなの、ランチの時のあなたを見てたら、すぐに分かったわ」

「私って、そんなに分かりやすいですか?」

「だと思うけど?」

「そうですか。だったら、どうして先輩は気付いてくれないんだろう……」