化粧室での事。
「ああ、素敵……」
その呟きに、加奈子が顔を上げて大きな鏡を見ると、そこには加奈子の横に並んだ美由紀の、頬をほんのり赤く染め、蒸気したような顔が映っていた。目はとろんとして、夢見心地といった感じだ。
「ほんと、素敵なお店よね?」
鏡越しに加奈子がそう言うと、美由紀は「え?」という顔をし、一瞬遅れてから、
「はい。ほんとに素敵なお店ですね?」
と言った。どうやら美由紀が「素敵……」と呟いたのは、店の事ではなかったらしい。
(ああ、そうか……)
「もしかして、“素敵”なのは嶋田君かしら?」
加奈子がそう言うと、美由紀は目を大きく見開き、途端に顔全体を真っ赤にした。
(やっぱりね)
「ああ、素敵……」
その呟きに、加奈子が顔を上げて大きな鏡を見ると、そこには加奈子の横に並んだ美由紀の、頬をほんのり赤く染め、蒸気したような顔が映っていた。目はとろんとして、夢見心地といった感じだ。
「ほんと、素敵なお店よね?」
鏡越しに加奈子がそう言うと、美由紀は「え?」という顔をし、一瞬遅れてから、
「はい。ほんとに素敵なお店ですね?」
と言った。どうやら美由紀が「素敵……」と呟いたのは、店の事ではなかったらしい。
(ああ、そうか……)
「もしかして、“素敵”なのは嶋田君かしら?」
加奈子がそう言うと、美由紀は目を大きく見開き、途端に顔全体を真っ赤にした。
(やっぱりね)



