素敵な上司とキュートな部下

香川に付いて4人が行ったのは、ホテルの最上階にあるバーだった。


「先ほど電話した者です」

「いらっしゃいませ。お席をご用意しておりますので、どうぞ、こちらでございます」


制服を着たウェイターに案内されたのは、4人掛けの窓際の席だった。


店内には静かな軽音楽が流れ、オレンジ色を基調とした光量を抑えた柔らかい照明と、張り巡らされたカーペットの上に、余裕を持って並べられた木製のテーブルと座り心地の良い椅子。

それらがとてもシックな落ち着きを演出し、なんともロマンチックなムードが漂っていた。そして、何よりも素晴らしいのは、大きな窓越しに一望出来る外の眺めだ。


「うわ! すげー……」

「綺麗……」


窓から見下ろす街の煌びやかな夜景と、スカイツリーと東京タワーが並んで見えるそれは、思わず大輔や美由紀が感嘆の声を漏らすほど、それはそれは素晴らしい眺めだった。