「そんな事考えちゃダメよ、美由紀ちゃん。美由紀ちゃんも立派な営業部員なんだから……。ね?」
そう言って、加奈子は美由紀の頭を撫でた。内心は、“めんどくさい子だわね……”と思いながら。
しかしその一方で、美由紀の気持ちが分からなくもない加奈子だった。加奈子自身、今はそんな事はないが、昔を思い起こせば今の美由紀のように、自信がなく引っ込み思案な頃が自分にもあったように思うから。
(私が図太くなっちゃったのかなあ。いつの間にか……)
「主任って優しいですね?」
「そ、そうかな。ところでさ、その呼び方はやめてもらっていいかしら? なんか堅苦しいって言うか……。私も“美由紀ちゃん”って呼んでるしね」
「そうですか? じゃあ……岩崎さん?」
「ん……それもちょっとね……」
「じゃあ、加奈子さん、ってお呼びしてもいいですか?」
「そうね、そうしてほしいわ。美由紀ちゃん」
「はい。これからはそうします、加奈子さん」
そうして、二人はニッコリと微笑み合うのだった。
そう言って、加奈子は美由紀の頭を撫でた。内心は、“めんどくさい子だわね……”と思いながら。
しかしその一方で、美由紀の気持ちが分からなくもない加奈子だった。加奈子自身、今はそんな事はないが、昔を思い起こせば今の美由紀のように、自信がなく引っ込み思案な頃が自分にもあったように思うから。
(私が図太くなっちゃったのかなあ。いつの間にか……)
「主任って優しいですね?」
「そ、そうかな。ところでさ、その呼び方はやめてもらっていいかしら? なんか堅苦しいって言うか……。私も“美由紀ちゃん”って呼んでるしね」
「そうですか? じゃあ……岩崎さん?」
「ん……それもちょっとね……」
「じゃあ、加奈子さん、ってお呼びしてもいいですか?」
「そうね、そうしてほしいわ。美由紀ちゃん」
「はい。これからはそうします、加奈子さん」
そうして、二人はニッコリと微笑み合うのだった。



