素敵な上司とキュートな部下

二人は社に戻ると、香川が言った通りなのだが、名刺を整理する暇もなく、また社を出て加奈子の歓迎会の会場へ向かった。


会場は、社からほど近い所にある日本料理の店だった。

香川の挨拶と乾杯の音頭で始まり、加奈子の挨拶も無事に過ぎ、淡々とした調子で宴は進んで行った。


どちらかというと静かな飲み会だった。加奈子の中では、営業部の飲み会はもっと騒がしいイメージだったため、ちょっと拍子抜けをした。

しかし加奈子は、あまり騒ぐのは好きではなかったので、静かに料理と酒の味を楽しめて、むしろ有難いと思った。

ちなみに加奈子は、香川に聞かれて“酒は付き合い程度”と答えたが、実際にはかなり好きな方で、過去には飲み過ぎで失敗した事が何度かあったほどだ。

そして今宵、加奈子は香川と大輔という二人のイケメンに挟まれ、注がれるままに酒を楽しんでいた。