「どうしたの? 何か食べたいものでもあるの?」
「そうじゃなくてさ……」
いつもズバズバものを言う剛史にしては珍しく、頭を掻きながら言い難そうにした。
「あのさ、俺も今度連れて来ていいかな?」
「連れて来るって、誰を?」
「ん? それはその……いわゆる“彼女”ってヤツをさ」
「あらま。あんたにもやっと彼女が出来たの?」
「やっとって、それはないだろ?」
「どんな女性なんだ?」
父親も話に加わった。
「うん。顔は俺が言うのもなんだけど、かなり可愛いと思う。ただ、性格がちょっと……」
「性格が良くないのか?」
「そういうわけじゃなくて……いや、片方はあまり良くないかもしれないな。もう片方はいい性格してるんだが」
「二人か!?」
「二人なの!?」
「いや、もちろん一人だよ。彼女を二人連れて来るって、有り得ないだろ?」
「だってあんた、“片方”とか、“もう片方”とか言ったじゃないの?」
「うん、その辺りが不思議な子なんだよな……」
剛史のよく分からない話に、首を傾げる両親であった。
おしまい。
※最後までのお付き合い、ありがとうございました。
剛史の不思議な“彼女”については、別の作品でお話したいと思います。
2013.8.25 秋風月
「そうじゃなくてさ……」
いつもズバズバものを言う剛史にしては珍しく、頭を掻きながら言い難そうにした。
「あのさ、俺も今度連れて来ていいかな?」
「連れて来るって、誰を?」
「ん? それはその……いわゆる“彼女”ってヤツをさ」
「あらま。あんたにもやっと彼女が出来たの?」
「やっとって、それはないだろ?」
「どんな女性なんだ?」
父親も話に加わった。
「うん。顔は俺が言うのもなんだけど、かなり可愛いと思う。ただ、性格がちょっと……」
「性格が良くないのか?」
「そういうわけじゃなくて……いや、片方はあまり良くないかもしれないな。もう片方はいい性格してるんだが」
「二人か!?」
「二人なの!?」
「いや、もちろん一人だよ。彼女を二人連れて来るって、有り得ないだろ?」
「だってあんた、“片方”とか、“もう片方”とか言ったじゃないの?」
「うん、その辺りが不思議な子なんだよな……」
剛史のよく分からない話に、首を傾げる両親であった。
おしまい。
※最後までのお付き合い、ありがとうございました。
剛史の不思議な“彼女”については、別の作品でお話したいと思います。
2013.8.25 秋風月



