素敵な上司とキュートな部下

「し、しかし嶋田君は剛史より年下なわけで、加奈子とは……」

「8つ違いです」


と大輔が言い、


「今は7つ違いよ?」


と加奈子はすかさず訂正した。


「私もそれで悩んだけど、やっぱり大輔の事が好きで、大輔も私を好きだと言ってくれたから、もう気にしない事にしたの。志穂と祐樹さんだって同じ年の差でうまく行ってるし」

「僕はまだガキかもしれませんが、加奈子さんを幸せにする自信はあります。どうか僕らの交際を許してください」


そう言って、大輔がテーブルにおでこが着く程に頭を下げると、加奈子もそれに習って頭を下げた。


「二人とも顔を上げなさい」

「お父さん……?」

「本人同士がよければ、私達は反対などしないよ。なあ、母さん?」

「え、ええ……」


『ありがとうございます』


二人で声を合わせて礼を言い、加奈子がホッと胸を撫で下ろしていると、大輔が小声で加奈子に耳打ちをした。


『一緒に暮らす事も言いませんか?』と。