「え? だって、あなたと嶋田君は付き合ってるんじゃ……」
美由紀は静かに首を横に振った。
「でも美由紀ちゃんは嶋田君のアパートにお泊まりしたり……」
「花火大会の次の日、私は会社から帰る先輩を捕まえてお酒に誘いました。先輩はオーケーしてくれて飲みに行ったんですけど、先輩はすごい勢いでお酒を飲みました。加奈子さんに失恋したヤケ酒だったと思います。
先輩はベロベロに酔ったので、私はタクシーで先輩をアパートまで送って行きました。そして先輩の介抱をしてそのまま泊まったんですけど、とてもエッチとか出来る状況じゃなかったです」
「そうなんだ……。でも、このあいだも行ってたでしょ? 嶋田君のアパートに」
「あれはまったくの偶然です。あの日は私が勝手に先輩のアパートに押し掛けたんです。先輩には迷惑がられて、加奈子さんが帰ってすぐ私も先輩から追い出されて、雨に濡れて帰りました。泣きながら……」
(そうかあ。私と同じだったんだ……)
「先輩の心の中には、加奈子さんしかいないんです。今でも」
それを聞いて加奈子は嬉しくて堪らなかったが、美由紀の前でそれを顔に出すわけには行かず、顔がニヤケそうになるのを必死で堪えた。
美由紀は静かに首を横に振った。
「でも美由紀ちゃんは嶋田君のアパートにお泊まりしたり……」
「花火大会の次の日、私は会社から帰る先輩を捕まえてお酒に誘いました。先輩はオーケーしてくれて飲みに行ったんですけど、先輩はすごい勢いでお酒を飲みました。加奈子さんに失恋したヤケ酒だったと思います。
先輩はベロベロに酔ったので、私はタクシーで先輩をアパートまで送って行きました。そして先輩の介抱をしてそのまま泊まったんですけど、とてもエッチとか出来る状況じゃなかったです」
「そうなんだ……。でも、このあいだも行ってたでしょ? 嶋田君のアパートに」
「あれはまったくの偶然です。あの日は私が勝手に先輩のアパートに押し掛けたんです。先輩には迷惑がられて、加奈子さんが帰ってすぐ私も先輩から追い出されて、雨に濡れて帰りました。泣きながら……」
(そうかあ。私と同じだったんだ……)
「先輩の心の中には、加奈子さんしかいないんです。今でも」
それを聞いて加奈子は嬉しくて堪らなかったが、美由紀の前でそれを顔に出すわけには行かず、顔がニヤケそうになるのを必死で堪えた。



