カウンターで各々飲み物を買い、二人はテーブルを挟んで向かい合わせに座った。そして加奈子はアイスコーヒーのブラックをストローで一口飲み、美由紀もアイスティーを一口飲んだところで加奈子は口を開いた。


「話ってどんな事?」

「はい。私、部長さんから聞きました」

「え? 何を?」

「別れたんですってね?」


美由紀はそう言うと、加奈子をキッと睨んだ。加奈子はそれを言われるとは予想してなかったので、唖然として言葉が出なかった。


「どうしてなんですか?」


更に美由紀は責めるような口調でそう続けた。そんな美由紀の態度に加奈子はカチンときて、


「あなたに答える義務はないわ」


と言ってしまった。ちょっときつく言い過ぎたかしら、と加奈子は思ったが、美由紀に怯む様子はまったくなかった。


「部長さんから嶋田先輩に乗り換えるつもりですか?」