4人は香川の奢りで寿司を食べ、食後のお茶をしに喫茶店へ来ている。
飲み物をオーダーすると、「ちょっとトイレへ行ってきます」と言って加奈子は席を立ち、「あ、わたしも……」と言って美由紀も後に続いた。食後の歯磨きをするためだ。
そのタイミングを待っていたかのように、「嶋田、おまえに聞きたい事がある」と香川は言った。
「はい、何でしょうか?」
「今回の岩崎君の異動と昇格なんだが……」
香川の真剣な目付きに、大輔はただならぬものを感じてゴクッと唾を飲み込んだ。
「おまえはどう思う?」
「どうって、特には何も……。強いて言えば、いい人事だなと思いますけど?」
「ほお、なぜ?」
「岩崎さんは流通でキャリアを積んで、僕らが営業していてもとても頼りがいのある人でした。僕なんか、彼女から的確なアドバイスをもらって何度助けてもらったか分かりません。
正直、彼女が抜けた流通は大丈夫なのかなって心配もあるんですが、彼女の実力を営業で発揮してもらえば、売上の向上にもつながるんじゃないかと……」
「なるほどな」
「なんか偉そうに、すみません」
「いや、いいんだ。俺も同じ考えで、今度の人事を決めたから。だが……」
香川はそこで言葉を切り、眉間に皺を寄せた。
飲み物をオーダーすると、「ちょっとトイレへ行ってきます」と言って加奈子は席を立ち、「あ、わたしも……」と言って美由紀も後に続いた。食後の歯磨きをするためだ。
そのタイミングを待っていたかのように、「嶋田、おまえに聞きたい事がある」と香川は言った。
「はい、何でしょうか?」
「今回の岩崎君の異動と昇格なんだが……」
香川の真剣な目付きに、大輔はただならぬものを感じてゴクッと唾を飲み込んだ。
「おまえはどう思う?」
「どうって、特には何も……。強いて言えば、いい人事だなと思いますけど?」
「ほお、なぜ?」
「岩崎さんは流通でキャリアを積んで、僕らが営業していてもとても頼りがいのある人でした。僕なんか、彼女から的確なアドバイスをもらって何度助けてもらったか分かりません。
正直、彼女が抜けた流通は大丈夫なのかなって心配もあるんですが、彼女の実力を営業で発揮してもらえば、売上の向上にもつながるんじゃないかと……」
「なるほどな」
「なんか偉そうに、すみません」
「いや、いいんだ。俺も同じ考えで、今度の人事を決めたから。だが……」
香川はそこで言葉を切り、眉間に皺を寄せた。